『王恋』☆ハロウィンは恋ざかり☆
「その可愛らしい唇に触れさせてください」


フェリクスの言葉にリンの目が見開く。


「フェリクス!本当にやめて、舞踏会室にもどります!」


押しのけようとフェリクスの肩を両手で押すがびくともしない。


どうして……こんなことを……?


いつものフェリクスではない。


そう思った時、唇が塞がれた。


「!」


驚きで固まるリンに更にフェリクスの唇は彼女の下唇を柔らかく噛むと舌を滑り込ませる。


どんどん深くなっていく口付けにリンは右手を振り上げた。


振り上げた手をフェリクスの頬に打ち下ろそうとした時、その手が掴まれる。


ゆっくり唇を離したフェリクスは口元に笑みを浮かべながら身体を起こし、リンを起こす。


リンはあ然となったままフェリクスを見つめた。




< 50 / 71 >

この作品をシェア

pagetop