『王恋』☆ハロウィンは恋ざかり☆

「……そっくりだ　相変わらず俺たちの真似が上手い」


リンと出会う前、アルはアーレ兄弟の姿に変装して城を抜け出し自由を味わっていた頃があった。


「だろう？こんなにそっくりに出来るとは、まだ腕は落ちていなかったな　あとはリンがくればゲームは開始だ」


「リン様とゲームですか？」


「あぁ　下で探すと邪魔が入る　ここなら見つけやすいだろう？」


アルフォンスの口の両端が上がる。


「一枚上手ですね」


「このゲームに勝ちたいんだ」


アルは上機嫌に応え、視線をフロアーに落とした。


そこへひとりの女性が入ってきた。


小柄な姿を美味しそうなシャーベットのような色のドレスをまとい、左右を見廻してから歩き出す。