『王恋』☆ハロウィンは恋ざかり☆
ハニーブロンドは遠目から見ると、本物のように見える。


しかし、動き、雰囲気からリンだとアルは分かった。


「彼女がリンだ」


アルが楽しそうにエルンストに教える。


エルンストも柵にもたれ下を見る。


「あのブロンドの女性がですか？」


「間違いない　ちょっと楽しんでくるよ」


その女性は人の波を進みどんどんすり抜け奥へ行く。


きっと自分を探しているのだろう。


なるべくキョロキョロしないように探すリンを見てくすりと笑みを漏らす。


この会場にアルのような金髪はかなりいる。


今日のアルはフェリクスの姿を真似していて黒髪だ。


身長もほぼ同じで、黒髪のウィッグをつけ、瞳を特注のカラーコンタクトで隠した。


そして大きめのマスクを付ければアーレ兄弟そっくりになれる。


片手を上げ、楽しそうな笑みを浮かべたアルをエルンストは見送った。



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