わたしとあなたのありのまま ‥2‥


「質問じゃありません。
 私は今、糖分を欲しています。
 なので、抹茶パフェが食べたいです」

「んじゃ俺、塩分と脂分が欲しい」

 呆気なく素に戻って田所が言い、二人してプッと吹き出した。


 店員に抹茶パフェとフライドポテトをオーダーすると、田所は「トイレ」と言って席を立った。

 戻って来た田所は、さっきまで座っていた私の向かい側ではなく、すぐ隣に腰をドッカリ下ろして、

「詰めろ、ほのか」

 といつもの命令口調で言う。


「狭いじゃん」

 と文句を言いながらも、言われた通りにすると、田所は右腕を私の背後に回し、背もたれの上にのせた。


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