わたしとあなたのありのまま ‥2‥
メロンソーダと、ついでに自分のレモンティーもグラスに注ぐ。
戻って来ると、「悪いね」と悪戯っぽく田所は笑った。
が、田所が気を利かせて席を詰めてくれる気配もなく、仕方なく再びその膝の上をドキドキしながら移動する。
と、私のお腹に田所の両手が後ろから伸びて来て、その手によってグイと後方に引き寄せられ、田所の膝の上に腰を落としてしまった。
ちょっ、ちょっと何これ?
たちまち頭の中がパニックに陥る。
「あの、田所くん?
この体勢で私にパフェを食えと?」
平静を装って言ってみるも、あまりに動揺し過ぎて声が震えた。
にも関わらず田所は、「ん」と、とてもとても涼しげに答え、私の左肩の上に顔をチョコンとのせた。
私の左頬と、田所の右頬がピッタリとくっついた。
また心臓が暴れ狂う。
どうしてくれるんだ。
周りの客が、そんな私たちには全く無関心だったことがせめてもの救いだった。
必死に逃れようとしてみたけれど、田所は頑として私のお腹を放そうとしない。
頬も、接着剤でも塗ってあるかのように、密着したまま離れない。
すぐに無駄な抵抗は諦めて、取り敢えずは、このまま食べてみようと愛しいパフェに視線をやった。