わたしとあなたのありのまま ‥2‥
「やっぱ俺たち……
別れよう」
驚きはなかった。
今日ずっと、予感していたことだった。
わかっていたはずだった。
土曜日のデートの約束も、最初から嘘だった。
それも、心のどこかで気付いていたはず。
田所が身を屈めて、私の唇に触れるだけのキスをした。
身体全ての感覚が麻痺しているようで。
触れた瞬間も、離れた瞬間もわからないほどで。
田所の顔が近づいてきて、そしてすぐに再び離れたから、キスをされたんだと思った。
ただ、それだけ。