わたしとあなたのありのまま ‥2‥
綾子はもちろん、一日中私の傍に居てくれたけれど、会話は弾むどころか殆ど無かった。
申し訳ないとは思うけれど、言葉を口にすることすら、今の私にはしんどくて。
何か一言でもしゃべれば泣いてしまいそうで。
そんなこんなで、酷く苦痛な一日をなんとかやり過ごした。
帰り支度を済ませて席を立つと、すかさず綾子が私に駆け寄り、
「ほのか、一緒に帰ろ」
と声を掛けてきた。
「え?
でも綾子、いつも照哉くんと……」
「大丈夫だって。
しばらくは、ほのかと一緒に帰るよ。
照くんも承諾済み」
そう言って、綾子は悪戯っぽく笑う。