わたしとあなたのありのまま ‥2‥


 ああ……また私、泣いてしまったんだ。
 やり切れない思いと悔しさで、余計に目の奥がジンジンする。


 差し出した手を、田所がゆるゆると引っ込めるので、咄嗟にそれを両手で捕まえた。

 霞む視界の中の田所が、酷く傷ついた顔をしていて。
 思わず視線を逸らして俯いた。

 キュッと目を閉じれば、目から溢れ出たそれは重力に従って、ポタリ、ポタリと止め処なくこぼれ落ちる。


「お願い。お願いだから……
 ちゃんと私をふってよ。
 そうじゃないと、だって、私は……」

 ギュッと田所の手を握る両手に力を込めて、声を必死に絞り出した。


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