わたしとあなたのありのまま ‥2‥
「ほのかと居ると、俺、駄目になる。
そのうちきっと……多分、俺は、ほのかも駄目にする。
ほのかに甘えないでいられるほど、今の俺、強くないから」
言いながら、空いている左手で私の右手首を優しく包んでそっとはがす。
右手もクルリと翻して、私の左手首をふんわり捕らえた。
まるで魔法にかかったみたいに、私はされるがままで。
恐る恐る視線を上げて田所を見れば、泣きそうな、それでもとても温かな笑顔がそこにあって。
私は堪えきれなくなって、とうとう嗚咽を漏らした。
「ほのか、俺……
弱虫のヘタレでごめん。
嫌いになれなくて、ごめん。
好きになって――
ごめん」
私を好きになってくれたことまで謝られてしまった。