わたしとあなたのありのまま ‥2‥
溢れ出した悲しみは、自分ではどうすることもできなくて。
ただただ、みっともなく泣きじゃくった。
「抱き締めたいけど、やめとくな」
田所が苦笑しながら言うから、「うん」と、しゃくり上げながら返す。
「わかった、わかったよ田所。
納得した。
でも、諦めるわけじゃないから。
田所の気持ちを受け入れるだけだから。
それだけは勘違いしないで欲しい」
自分自身、訳のわからないことを言っているなと思った。
『諦める』と『受け入れる』、一体何が違うのだろう。
けれど、どうしてもそこだけは譲れない自分がどこかに居て。
きちんと伝わったかどうか、全くわからなかったけど田所は、
「受け入れてくれてありがとう」
と、丁寧過ぎるお礼の言葉を口にして、穏やかな笑みを浮かべた。