わたしとあなたのありのまま ‥2‥


 自分のクラスに戻ると、綾子が一人、窓際の席に座って校庭を眺めていた。
 頬杖をついたその後頭部と背中が、酷く退屈そうに映った。


「照哉くんは?」

 教室に一歩踏み入れるなり問いかければ、綾子の身体はビクッと小さく跳ねた。
 そして、勢いよく振り返ると、私を見てホッとしたように小さく息を吐く。


「あ、うん。
 先帰った」

 そう答えて、照れ臭そうに笑う。

「ふうん」

 素っ気なく返し、綾子の元へと向かった。


 照哉くんは……
 もちろん綾子もだけど、私に気を使ってくれたのだ、とすぐに気付いた。

 でも今、そんなことはどうでも良くて。
 本当は良くないけれど、やっぱりどうでも良くて。


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