わたしとあなたのありのまま ‥2‥
解けなかった方程式が、突然解けたような、そんな清々しい達成感に満たされた。
田所を好きになったことを、絶対に後悔したりしない。
この先もずっと、私の心を潤わせてくれる、大切な思い出だ。
『ありがとう』って。
最後に伝えれば良かったな。
それだけが、ほんの少し心残りだったり。
「うん、帰ろ。
綾子と帰るの久々じゃん」
鞄を肩に引っ掛けて、思いっきり笑ってみた。
「だね」
と、綾子も顔をくしゃりとさせて、ポカポカした陽だまりのような笑顔を返してくれた。