わたしとあなたのありのまま ‥2‥




「ちょっ、ほのか?
 どうしちゃったの?」

 翌朝。
 私を一目見るなり、綾子が目を真ん丸にして声を張り上げた。


「いや、イメチェンして心機一転、的な……」

 あまりの驚き様に、つい気後れしてしまう。
 ボソボソと喉の奥だけで鳴っているような声で答えた。



 昨日、あれから――
 急に髪型を変えたくなって。

 『思い立ったが吉日』
 『善は急げ』
 ……ってことで。

 帰宅後すぐに行きつけの美容院に予約を入れて、真っ黒な髪をほんの少しだけ明るくして、毛先にも緩くパーマをかけてもらった。



「可愛い。ほのか可愛いよ、似合ってる」

 パチッとスイッチを切り替えたみたいに、綾子は瞬時に顔の緊張を緩めると、満面の笑みを浮かべてそう言ってくれた。


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