わたしとあなたのありのまま ‥2‥


 お昼休み、綾子に引きずられるようにして中庭へ移動する。

 足がまるでコンクリートで固められているかのように重くて。
 思い通りに動かせない。
 嘘じゃないよ、本当に。



「ちょっとぉ。
 ほのか、ちゃんと歩いてよ~」

 とうとう綾子が不満を口にした。

「だって……やっぱ行きたくない。
 田所にまたボロクソ言われる、絶対言われる」

 半泣きになりながら、この期に及んで駄々をこねた。

 もう渡り廊下まで来てしまった。
 あと数10mも進めば中庭だ。


「言わないって。大丈夫だから、早くっ」

 私が抵抗するので、綾子も余計に躍起になっている感じ。
 さらに力を込めて、私の手をグイグイと強引に引っ張る。
 手が千切れそうだ、勘弁してよもう~。


 とうとう――

 秘密の喫煙所に辿り着いてしまった。


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