わたしとあなたのありのまま ‥2‥


「え? 誰?
 ……って、ほのかちゃん、可愛い」

 一番に照哉くんが気付いてくれて。
 冗談っぽく言って笑った。

 途端、そこに居た皆の視線が一斉に私に集中する。
 ちょっと怖そうな三年生の人たちまで私を見るもんだから、ギョッとして思わず仰け反った。


 田所は――
 田所だけは、私の方を見てくれない。

 やっぱり、避けられているのかな、と思った。
 でもそれは、当然と言えば当然で。

 胸がチクンと痛んだけれど、心のどこかでは納得していた。



 怖そうな先輩たちも、名前も知らない田所の仲間たちも、どうやら私のことは見知っているみたいで、四方八方から社交辞令的賞賛の言葉を浴びせられて、困り果ててしまう。

 私が褒めて欲しいと思う人は、一切こちらを見てくれないのに。


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