わたしとあなたのありのまま ‥2‥
せなくんも居たのか、と。
この時ようやく知った。
だってせなくんは、三年生の怖そうな先輩たちと完全に同化していたから。
不思議だ。
「てめ、大嘘ブッこいてんじゃねぇわ」
田所が、噛みつかんばかりの勢いでせなくんを怒鳴り付けた。
と、見兼ねたのか、照哉くんが遠慮がちに口を開いた。
「俺もその場に居たけど……」
けれども田所の鋭い視線が今度は照哉くんを射抜き、照哉くんは渋々その口をつぐむ。
せなくんの証言は『大嘘』にしては、妙にリアルだった。
だって、『あのブタ』って。
私のことをブタ呼ばわりするヤツなんて、田所ぐらいだから。
「ねぇ、どっち?
言ったの? 言ってないの?」
段々と。
なんだかとてつもなく腹が立ってきて。
田所に歩み寄ると、睨みつけるようにして見上げ、その正否を問い詰めた。