わたしとあなたのありのまま ‥2‥


「ほのかは……
 俺より、せなくんの言うことを信じるのかよ?」

 拗ねたように、小首を傾げた上目使いでそんな事を言うもんだから、思わず『可愛い』とか思ってしまう。

 それ、反則だよ田所。


「私は、」

 口を開いたは良いけどすぐに言葉に詰まってしまって。
 ふわふわと目線を泳がせれば、真実を語ってくれそうな照哉くんが視界に入る。

 困ったような苦笑を浮かべる照哉くんだけれど、もうこの際、犠牲になって頂きます。


「私は照哉くんを信じる」

 真っ直ぐ田所を見詰めて、確固たる意志をもって伝えた。

 田所がチッと苦々しく舌を鳴らしたので、もう一度同じ事を問う。


「言ったの? 言ってないの?」


< 239 / 363 >

この作品をシェア

pagetop