わたしとあなたのありのまま ‥2‥


「言った」


 何でもないことのように、スルリと答えて田所はそっぽを向いた。
 堂々と嘘を吐いた挙句、それがバレたらふて腐れるとか……

 精神年齢一桁男め。



「何が気に入らないの?」

 ついつい語気を荒げてしまった。
 何ムキになってんだか、私。
 こんな、お子ちゃま田所相手に……


「そうよ、そうよ。
 何が気に入らないのよ?
 もう田所なんか、キライっ」

 普段はクールなせなくんが、変な女言葉で便乗する。
 今日のせなくん、どうしちゃったんだろう。
 何故だか壊れ気味だ。


「黙れ、せな。
 てかお前もっ!
 気に入らないとかじゃねぇし。
 全然可愛くねぇし」

 田所はせなくんに怒声をぶつけた後、すぐさまその怒りの矛先は私へ移動する。


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