わたしとあなたのありのまま ‥2‥
田所のすぐ傍に、私以外の女の子が居る。
たったそれだけで、胸の奥にズキリと重い痛みが走る。
見たくないのに。
心は激しくその光景を拒否しているのに。
視線を外せないでいると、やがてみなみちゃんのしなやかな指が田所の前髪にサラリと触れた。
そうして田所の前髪は横へ流され、彼女は反対側の手に持っていたらしい何かでそれを固定した。
呆然と。
ただ、ぼんやり眺めていた。
すぐに猛烈な喉の渇きを覚え、ケホッと咳払いを一つする。
それでもすぐにまた、私は視線を上げると、無意識的に自分の視界を二人で埋める。
ようやく状況が把握できてくると、今度は悶々と行き場のない怒りが湧きあがってきた。