わたしとあなたのありのまま ‥2‥


「……ったく。
 しょうがないなぁ、あいつら」

 照哉くんは、ため息混じりにそう言って苦笑した。

「あの二人、仲悪いの?」

 隣の照哉くんを不思議そうに見上げて、綾子が問う。
 何の躊躇いもなく核心に触れるから、こっちが冷や冷やしてしまう。


「仲悪いことはないんだけど……
 てか、せなくんは悠斗大好きだし。
 好き過ぎておかしくなってんだろうな」

 言って照哉くんは、何かを思い出したような含み笑いをする。

「意味わかんない。
 じゃあさ、ほのかのライバルはせなくんってこと?」

「綾ちゃん、考えなしの発言は控えましょう。
 せなくんは生粋の女好きだって。
 知ってんでしょ?」

「じゃあ、何?」

 綾子が苛立ち顕に照哉くんを問い詰める。


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