わたしとあなたのありのまま ‥2‥
全てをわかっているのに勿体つけてちっとも話してくれない照哉くんに、正直私もイラッとした。
教えてくれればいいじゃない。
二人の間に漂う刺々しい空気は尋常じゃなかった。
しかも、私が関係しているっぽいし。
すごく気になるじゃない。
照哉くんはどこか遠くへ視線をやり、うーんと唸って考える素振りをしてから、ようやく口を開いた。
「好きだから余計に――
そいつが自分の意にそぐわない行動をとると、気に入らなくて突っかかりたくなる……ってことない?」
「私が聞いてんのに。
なんで逆質?
ないから、そんなこと」
照哉くんの答えが気に入らないらしい綾子は、不機嫌に言い返す。
いや、あるでしょう?
と、心の中だけで叫んだ。
私のすることなすことに、お母さんみたいに一々ブツクサ小言を言うくせに。