わたしとあなたのありのまま ‥2‥


 それにしても――
 綾子は照哉くんに対して、乱暴なほど言いたい放題だなぁ、と改めて思った。


 けれど、照哉くんは少しも気分を害することなく、ふんわり優しく微笑むと、

「これって、男特有なのかなぁ」

 などと、綾子の言葉を鵜呑みにして納得している。

 まぁいいか、放っておけば。
 末永くお幸せに――ってことで。



「ああそうだ、綾ちゃん、今日カラオケ行かない?」

 今思いついたかのように照哉くんが言う。
 けれどすぐに、

「良かったらほのかちゃんも」

 と。
 煌びやかな素敵笑顔で私まで誘うから、また良からぬことを企んでいるのではと、一抹の不安がよぎる。


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