わたしとあなたのありのまま ‥2‥
八方ふさがりだ。
それなのに、『また田所と一緒にいられるかも』と。
喜んでいる自分が居るから嫌になる。
結局、はっきり答えてはいないけれど、
「そろそろ教室戻ろ」
綾子の一言によって、その話は打ち切りとなった。
屈託のない笑顔を見せる綾子の中ではきっと、私が同意したことになっているのだ。
いいけどね、別に。
どうせ暇だし。
それに、田所にヘアピン返してもらわないとだし。
そんな、言い訳染みたことを考えながら、頬にかかった邪魔くさい横髪を、そっと指ですくって右耳に引っ掛けた。