わたしとあなたのありのまま ‥2‥


「何? お前も行くの?」

 田所は、私を見るなりそう言った。
 その顔と声に、隠しもせずに不満を思い切り漂わせて。


 放課後、綾子と私は、理系のやんちゃ軍団と昇降口で落ち合った。

 当然のごとく、田所はそのメンバーに入っていて。
 そして当然のごとく、私が行くことは知らされていなかった訳だ。


「いけなかった?」

 開き直って聞けば、

「当たり前だろ? せっかくの楽しい一時が台無し」

 と。
 想像以上に残酷な言葉が返って来て、ほんの少し凹んだ。

 プウと膨れると、「ショックで自爆?」などとからかって笑う。


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