わたしとあなたのありのまま ‥2‥


「ショックなんか受ける訳ないじゃん。
 田所の言うことなんか、屁っプーだし」

 悔し紛れに意味不明のバカ発言で応戦すれば、

「くっせ。
 ほのかの屁、マジヤバッ。
 拷問レベルだな。
 軍事機密、全部吐いちゃいそう」

 鼻をつまんで大袈裟に顔を顰めてそう言った後、声を出して笑った。


 機嫌は悪くなさそうだ。

 私も一緒に行くこと、ホントにホントはどう思っているのだろう。
 


 田所は私に対して決して本音は言わない。
 あの日から、言わなくなった。

 田所は優しいから。
 自分よりも、他人が傷付くことを恐れているような人だから。

 私のことを、内心は迷惑だと思っていても、冷たく突き放すことが出来ないのかもしれない。


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