わたしとあなたのありのまま ‥2‥
それでも、そんな田所に甘えてしまっている私は、本当に最低だと思う。
身勝手で、我儘で、自分だけが可愛くて。
けれど、好きなんだから仕方がない。
別れてからも、田所への気持ちはこれっぽっちも衰えることなどなくて。
逆に、どんどん膨らんでいく。
大好きだ。
例え愛されなくても、私のことなんか見て貰えなくても、傍にいられるだけで本望だ。
「どうでもいいけど、足は動かせ。
予約したんだろ?」
少し先を行くせなくんが、こちらを振り返って言った。
「偉そうに命令してんじゃねぇわ。
俺、あれ歌うわ、あれ」
言いながら田所が走って追いついき、左腕をせなくんの首に巻き付けるようにして勢いよく抱きついた。