わたしとあなたのありのまま ‥2‥
一学期の終わり頃、山田は所属しているサッカー部のマネージャー、『せら』ちゃんに告白され、そして付き合い始めた。
山田のせらちゃん溺愛ぶりは、それはもう凄まじく。
夏休みの間に更に愛を育み、深め、そして新学期を迎えたのだそうだ。
でもまぁこれ、山田談だから、信憑性は果てしなく薄い。
だってせらちゃんは、1年生女子の中では1、2を争うほどの美少女だ。
そういうことに疎い私ですら、彼女の存在は知っていたほど。
山田のどこがいいのだろう?
「お前、田所の彼女だろ?」
山田は、再度同じ事を問う。
「うるさいよ。
山田には関係ないでしょ?
ほっといてよ」
冷たく吐き捨て、自分の席に向かった。