わたしとあなたのありのまま ‥2‥


 気になる、気になる、気になるよー。


 放課後、田所のアパートへ向かいながら、

『今からお見舞いに行くね。
 何か食べたい物とかある?』

 とメールを送った。
 そしたらすぐに、携帯電話の着信音が鳴った。


 画面に表示された発信者の名前は、予想通り田所で。
 私が出るなり、

『来なくていい。
 てか、来るな。
 すっげぇダルいし、しんどい。
 ただひたすら眠りたい』

 一方的に言って、電話を切ろうとする。

「待ってよ!
 もう向かってるから、だから……」

『迷惑なんだって。
 なんでわかんねぇかなぁ』

「そっちが迷惑だろうが関係ないし。
 私が会いたいんだってば」

『は? 人が弱ってる時に、何、我儘ぶっこいてんの?
 俺は会いたくない』

「心配なんだよ。
 お願い、一目だけでも……」

 ブチッという音がし、続いてプーップーッという機械音が虚しく耳に響く。


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