わたしとあなたのありのまま ‥2‥


「田所は、どうしたいの?」

 今にも泣き出しそうな田所の、ほんのり赤を残した頬に、そっと左手で触れた。

「俺は――
 ほのかとずっと一緒に居たい」

 田所は長い睫を伏せ、頬に添えられた私の手をそっと包み込んで、自分の口元へ持って行った。

 唇が触れた。
 たちまちそこが熱を帯び、それが全身に広がる。

 ああ、私は本当に……
 田所を愛しているんだなぁ、と思い知る。

 『ずっと一緒に居たい』、その言葉だけで充分だ。
 他に欲しいものなんて、このちっぽけな世界には無いような気がした。


「田所の過去に何があったとしても、
 私は田所の味方だよ。
 ずっと一緒にいる。
 田所が離れろって言っても離れない」

 私の『全て』を伝えたつもり。


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