わたしとあなたのありのまま ‥2‥
制服を元通りに着終え、帰るね、と伝えると、田所は「送るわ」と当然のように言って立ち上がった。
部屋を出たら、同じタイミングで隣の扉も開いた。
心臓が跳ねた。
咄嗟に、田所のTシャツの裾をギュッと掴んだ。
ゆきさんの部屋からあの人が出て来るかも知れない、そう思ったら、全身が激しく脈を打ち、呼吸すらもしんどく感じた。
「行こう、田所」
早々にその場を離れたくて、Tシャツを掴んだまま、田所を引っ張るようにして歩き出した