わたしとあなたのありのまま ‥2‥
「駄目だよ、田所」
背後から田所の腕を掴んで引けば、その腕を回して振り解かれた。
田所は私を見ようともしない。
「回りくどいことは止めろ。
ほのかに伝言頼んだり……
関係ないヤツ巻き込むな」
「関係なくないだろ?
その子、お前の彼女だろ?」
ゆきさんの彼はそう言って、チラリと私に視線を寄越した。
「お前がゆきを殺した。
それなのに、のうのうと彼女とヤリまくってるとか、
ムカつくんだよ」
彼の整った顔が、みるみる歪んでいく。
『ヤリまくってる』と言われ、恥ずかしくて、
彼の表情も、見ていられないほどに痛々しくて、
思わず、目を逸らして俯いた。