わたしとあなたのありのまま ‥2‥


 心が痛い。
 冬以の悲しみは深すぎる。
 後悔の分だけ余計に……

 その場から逃げ出したくなった。

 けれど――
 きっと、田所はもっと傷ついている。

 だから、私が守らなきゃ。


「誰かを憎むことで、悲しみを紛らわそうって気持ちはわかるけど……
 でも、田所は悪くない。
 田所はゆきさんのことを本当に好きだった。
 私、そんな田所を見てきたんだから。
 そのせいで傷ついて、苦しむ田所を見てきたんだから。
 あなたが、ゆきさんに寂しい想いをさせたんじゃない。
 自分がしたこと棚に上げて、責任転嫁しないでよ」

 無我夢中だった。
 田所を守るためなら、他の全ての人を傷付けても構わない、そう思った。


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