わたしとあなたのありのまま ‥2‥


 冬以は少しよろめきながら後ずさった。

 けれど、私の反応は想定内だったようで、全く動じることなく、冷ややかな視線を私に向けた。


「あ……頭おかしいんじゃないの?
 好きでもないのに『ちょうだい』なんて」

 怒り任せに罵言を吐けば、冬以は鼻を鳴らして笑った。
 が、すぐにその笑みは消え、

「女なんか……
 ゆき以外だったら、ヤレりゃあ誰でもいいんだよ」

 感情が全く読み取れない無表情で、静かに言った。


「だからってなんで私が……」

 再び言い返そうとしたら、「ほのか」と、田所が背後から私の胸に右腕を回した。
 そうして、田所の胸の中へと引き寄せられた。


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