わたしとあなたのありのまま ‥2‥
「げっ、2時間待ち、マジか」
長蛇の列の最後尾に立てられた看板を目にした田所が、顔をしかめて言った。
「偉業を成し遂げるには、忍耐は必要不可欠。
仕方なかろう」
「何ソレ? 意味わかんねぇ。
バカじゃねぇの?」
田所の不機嫌バロメーターはマックスに。
私は励ましたつもりなのにな。
なんだかんだと言いながらも、私たちはその列に並んだ。
田所が、繋いでいた手の力を緩めたので、私は逆にギュッと握る。
離してなるものか。
そしたら田所は、ブンブンと腕ごと振り、全力で逃れようとする。