わたしとあなたのありのまま ‥2‥
「どうしてよ?」
「あっついだろ?
それにお前の手、汗ばんでて気持ち悪ぃ」
「汗ばんでんの、私じゃないよ、田所だよ」
「てめ、俺に罪なすり付けやがって。
俺は無実だ」
挙句、私の腕を空いている方の手で掴むと、力ずくで引き離した。
酷い、あんまりだ。
ちょっとだけ涙出てきたし。
けれど、田所はすぐに私の左肩に自由になったその左手をフワリと載せて、
「やっぱこの方が落ちつく」
そう言って、照れ臭そうに笑った。