トランキライザー

 店長と話していてそう思った。

 この日の仕事は夜もあったから、終わる頃にはクタクタだった。

「お疲れさまでしたー」

「お疲れー」

 片付けが終わり、早々に店を出た。

 携帯を取り出すと、敦志から着信が何度か鳴っていた。

「もしもし?」

「お疲れー。仕事だった?あっ」

 電話の向こうがすごく賑やかだった。「あっ」って言ったあと、敦志の声がしなかった。

「もしもし?おーい、敦志?」

「もしもーしぃ」
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