トランキライザー

「俺明日、朝から仕事なんだけど?」

「ちょっとでいいから、ちょっとで。俺奢るし」

「・・・場所どこ?」

「おっ?来てくれるの?この前のところに居るから」

「分かった」

 そう言って電話を切った。

 まぁ、いいか。考え事しなくて済むし。

 そう思い、この前の居酒屋に向かった。

 着いた瞬間、店の前に美和ちゃんが居るのが分かった。

「良かったー。思いのほか早くてぇ」

「何?待ってたの?」

「だってぇ、居づらんだもん」

 あぁ、口説いてる女と一緒だから、周りの事なんて見てないんだろうな。
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