トランキライザー

 友達が言うのだからよっぽどなんだろう。

「お待たせぇ。何?何の話してるのぉ?」

「ん?特に何も話してないよ」

 にっこりと笑うと、横にぴったりとくっついてきた。

「圭斗くん本当にイケメンだよねぇ。見てて飽きなぁい」

「あはは、煽てても何もないよ。ありがとうね」

 離れるように動いたけれど、一緒についてきた。

 ご飯が食べにくい。

「美和、離れなよ。圭斗くん困ってるじゃん」

「あー、葉月ったら羨ましいんでしょー?」

「・・・もうっ」

 呆れて、それ以上は何も言わなかった。
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