トランキライザー

 びくっとして、一瞬で離れた。

 女って、なんでこうも自己中心的なものの考え方なんだろう。どうして周りの空気が読めないんだ。

 敦志が肩を震わせながら笑っていたのが見えた。

「じゃあね。敦志、また連絡して」

「おう」

 やっと、何かの憑き物が退いて、体が楽になった。

 よくもあんなにくっついていられるよ。

「うーんっ」

 精一杯体を伸ばした。

 体が休息を求めているのが分かり、早急に家に向かった。
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