トランキライザー
「い、一緒に」
さすがにそれは無理だろう。今一緒に居たくないからここから出るのに。
「敦志のところに?今日は勘弁して。分かるだろ?」
顔を見せないように、素早く靴を履いて玄関のドアノブに手をかけた。
「・・・うん。わかった。ノアーツには行ってもいい?」
「・・・ん。ちゃんと戸締まりして寝な」
「うん」
小さく頷く姿を、チラ見して部屋を出た。
今彼女は何を思っているんだろう。
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