トランキライザー
「毎回浮気する度に聞くけどさ、俺に悪いと思わないわけ?」
「思う」
「じゃあ、なんでするんだよ」
「・・・ごめんなさい」
話にならない。毎回これの繰り返し。もう飽きたよ。
「もうさ、別れる?」
思わず出た言葉だった。つぐみの顔を見ると驚いた顔をしていた。
でもきっと、つぐみに負けないくらい俺は驚いた顔をしていたはずだ。
「い、いやっ。そんなこと言わないで」
座っていたつぐみは立ち上がって、俺の腕をつかむ。別れると言う言葉はここ最近言ってなかったからか、つぐみは動揺しているようだった。