トランキライザー

 自分が震えているのが分かる。こんなにも苛立つのは彼女を愛しているから?それとも自分の思う通りに動かないから?

 考えるのはやめよう。もう振り回されるのはごめんだ。仕事に集中しなければ。

「圭斗?怖い顔してどうしたの?」

「理沙ちゃん、ごめん、不快な顔してた?」

「何で謝るの?何かあったの?」

「なんでもない、気にしないで」

「・・・そう」

 しっくりこない顔をしたまま理沙ちゃんは皿を運んでいった。
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