トランキライザー

「んー、今カフェにいるからいつでも平気といえば平気だけど・・・。何?まさか早く出て来いって?」

「正解、店長がお呼びです」

 そう言うと電話の向こうで唸っていた。ホラー映画で聞きそうな唸り声をあげていた。

「店長命令なら仕方ない。この一杯を飲み干したら行くわ」

「その一杯を1時間以上かけてちびちびと飲むなよ」

「げっ、ばれてるし」

 こいつのやりそうなことはお見通しだ。

「当たり前だよ。ちゃんと来いよ」

「はいはーい」

 不通音を聞いたあと携帯を閉じた。
< 75 / 186 >

この作品をシェア

pagetop