トランキライザー

「遠慮しなくいいから」

 本当に面倒臭い。頼むから構わないでくれ。苛々する。

「じゃあ、明日にしてくれよ。今日は早く帰るから」

「了解」

 適当にあしらうと、葵は小皿を並べ始めた。

 しばらくして、がやがやと話し声と共に予約客が入ってきた。

「いらっしゃいませー」

 1番に店長が立ち上がって案内を始めた。

 俺たちはグラスを並べ、頼まれたものがすぐに準備できるようにした。忙しくなるなぁ。そう考えると、少し体がだるくなった。
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