はとぽっぽ


啓太は水を持ったまま、話はじめた。



「オレさ…期待させるようなこと言わないつもりだったけど…」


「何?」


「嵐さ……ぽっぽちゃんのこと、やっぱり好きだと思うんだ…」



は……?



「何…言ってるの?私…ふられたんだよ?」


「でも!…そう思う…」


いつもおちゃらけている啓太がすごく真面目な顔をして話すから…



私は返す言葉を失った。


「さっきさ…ぽっぽちゃんたちを風呂で覗いてた奴らいたでしょ?」


「うん…」


「あいつら殴ったの…嵐なんだよ…。」


うそ……嵐が?


「麻美がぽっぽちゃんの名前叫んだ瞬間、まるで人が変わったみたいにさ…」


私は嵐の顔をじっと見つめた。



なんで、私のために怒るの…?


なんでなの?嵐…



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