はとぽっぽ


『黒澤!!どこだ!!』

下の方で嵐の声が聞こえる。



「上だ!上がってこい!女もいる!」



嵐は息を切らして、走ってきた。



「歩穂!!」


「嵐…!!」



「………てめぇら……歩穂に何しやがった!!」


引き裂かれた私の服を見て、嵐は怒鳴った。



「さぁ?何でしょう?」

また、男達はニヤニヤしながら嵐に近づいて行く。


だめ!嵐……逃げて!


「動くな!」



掴まれた腕をほどこうともがいたけど、さらに強い力で掴まれた。



「いたっ!」



「歩穂に触るな!」



嵐は私の所に来ようとしたけど、他の男達に囲まれてしまった。



「女を助けたかったら、土下座しろ!」


「あ?するわけねぇだろ!」


《バキ!》


嵐は1人の男を殴った。

「てめぇ!やりやがったな!?」


「やっちまえ!」


男達は一斉に嵐に殴りかかる。



「やめてー!!」



< 180 / 206 >

この作品をシェア

pagetop