はとぽっぽ


校舎の中はすごいことになってた…


床一面に焼き肉のタレ…

所々に野菜の破片…


塩コショウが壁から床にかけて…


「はぁ…今日中に終わるの…?」


「やるしかねぇだろ…」

嵐が掃除って似合わない…


「何にやけてんだよ!」

「別に~♪」


「おい!そこ!」


「えっ?ぎゃ!」


焼き肉のタレに滑った~!


「あっぶね~!」


なんとか嵐が支えてくれて助かった…


「わ…ごめん!」

急いで離れようとした…けど…けど…


うそぉ~!


今…私は嵐の腕の中にいる…


「…嵐?」


「あ……」


あ…?


「歩穂…」


…歩穂って言った?今…

「俺…お前のこと……好きだ…」


私のこと好きって…


「…本当?」


嵐の顔を見上げる…


その瞬間嵐の唇と私の唇が重なった。


いきなりズルいよ…心臓止まっちゃうよ。



嵐とのキスは、さっきみんなで食べた焼き芋の甘い香りがした。


本当に忘れられない思い出になっちゃったよ…



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