はとぽっぽ


「ちょっと…来い。」


昼休み、いきなり嵐に腕を引っ張られた。


何?どうしたの?


着いたのは…音楽室…?

「音楽室…初めて入った…」


「だろうな…音楽の授業ねぇからな、ここは。」

じゃあ何で音楽室…?


「何年か前はあったらしいけどな…」


そうなんだ…あの生徒達じゃ、クラシックなんて勉強しないよね…


「だから、俺の寝床にした。」


は?


「誰も来ないからさ…落ち着くんだ…」


嵐…なんだか寂しそう…

「歩穂も来いよ…落ち着きたくなったらさ…」


「嵐…今、歩穂って言った!」


「…そうだっけ?」


一瞬にして赤くなる顔を見せないようにそっぽを向く。


みんなの前ではお前って呼ぶのに…


それが余計嬉しかったりする…



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