家庭内戦争
小さい頃から我慢続き、保育園の時の運動会一度も来て貰ってない。
父親がいないから肩車をして貰っての騎馬戦は全然知らないおじさんに肩車されて直ぐに負けたのを覚えてる。
人一倍人見知りで相手に心を開けない子供だった。同じ歳の子が幼く感じて同じ遊びをするのが恥ずかしかった。
喘息で保育園は1ヶ月何て休むのは当たり前で救急外来も沢山行った。
仕事で疲れていても私を病院に必ず連れて行ってくれた。
母を困らせたくないから注射は怖かったけど泣かなかった。

痛いって言わなかった。

そんなのかっこ悪い子供みたいって子供の癖に大人の真似してた。

あんなに愛してくれたのに、あんまり一緒に居れなくたってちゃんと私の為だってわかってた。
だけどアイツのせいで私は母に心配もされなくなる。
アイツの為に頑張って貯めた貯金を渡す母。
アイツの為にご飯を作る母。
アイツの為にスカートを履いたり化粧をする母。

冷蔵庫の中はアイツの好きな物ばかり。
私が食べたらダメな物ばかり。
私の飲み物は?
私のおやつは?

アイツに合わせた食事ばかり。
アイツが兄を殴っても母はアイツにありがとうと言った。
私が泣いたら五月蝿いと言うアイツの為に私の口をふさいだ。


アイツが何も言わずに何処かへ行くと私や兄には構わずアイツを探し回った。そして見つけて号泣。

イカレテル。

私が家出しようと裸足で外に出ても母は私を叱る事も抱きしめる事もなかった。私が毎日毎日部屋で暴れても構われる事はなかった。
母が突然入院してしまった時、お見舞いに一度も連れて行かれなかった。
その間にアイツに言われた…お前がいい子にしないとお母さんを殴るからな。入院しているお母さんのとこには連れて行かない。お前が悪い子だからお母さんは入院したんだ。
だからお母さんはお前には会いたくない。

きっとなつかない私に嫌がらせ。
でも幼い私の心にはその言葉は重くのしかかった。

コイツに反抗出来ない。
私は今母に愛されてない。
私の負け。

その日から私は部屋をグチャグチャにする事をやめた。
泣き叫んだり、家出しようとしたり、アイツを睨んだりする事を全てやめた。

私は、自分の感情を表に出すのをやめた。




いい子になった。

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