甘く、甘い、二人の時間

「菫…」


「…なに?」



やっと言葉を発した拓海の口から出てきたのは愛のささやきじゃなくて、






「…さっきの、誰?」



私の頭を真っ白にさせる物だった。




「菫に限って浮気なんてないとは信じてる。だけど、俺の知らない男にアパートまで送って貰うとか、どうなんだ?」


「…あの、それは、」



なんて説明するべきか、言葉がなかなか出て来なくて。



莉乃とよく行く飲み屋の店長さんで
元彼で
さっき告白されて


どれもこれも、出来る限り拓海には聞かせたくない内容ばかり。





あたふたする私を見て、拓海は厳しい表情を浮かべる。




「やましい事でもあるの?」


「!!無い!」




私の中では…ない 。

拓海に誤解されるなんて嫌だから、ついムキになって否定してしまった。


だけど、次に拓海の口から落ちた言葉は、耳を疑う物だった。








「じゃあ、紹介して?」


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